道隆寺跡 (肝付町新富)

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岸良,内之浦でヤマザクラを見ての帰りに,神之川内之浦線(県道561号)の国見トンネルを抜けて新富本城(にいとみほんじょう)へ下りて来ると,旧本城小学校跡地の前でを通ります。そこから脇道に入って道隆寺跡へ寄ってみました。
道の脇に2体の仁王像の胴体部分が立っています。かなり傷んではいますが腕や足の筋肉,衣紋の流れるような彫り跡を見ることができます。
道隆寺の礎石
道隆寺山門前にわずかに残る石垣の跡
道隆寺に向かう石段。両側を切り通して作られたのでしょうか。かなり狭い参道です。
道隆寺山門跡
門の先にある六地蔵塔の上部。蓮台の上に六角の各面に地蔵像が刻まれています。
寺跡の敷地内には所狭しと,おびただしい数の無縫塔,供養塔,六地蔵塔,経塚等が立ち並んでいます。この地は個人で所有されていて,持ち主の方や地域の方が長年掛けて少しずつ整備されていらっしゃると聞きました。ここは鎌倉時代に蘭渓道隆禅師が,南宋(中国)から日本へ渡来し,柏尾山道隆寺を開山したところです。鎌倉の建長寺開山の7年前の出来事です。後に志布志の大慈寺の末寺となりますが,明治初期の廃仏毀釈のため姿を消しました。
馬酔木の花: 敷地内には様々な自生の植物や植栽された季節の花々を楽しむことができます。

 

道隆寺観音堂跡

処々にシラユキゲシの花が咲いています。
シャガ(射干)の花も見頃です。どちらも中国原産です。南宋から渡ってきた禅僧道隆を偲んでいるかのようです。
道隆寺は肝付氏の菩提所ですが,島津氏の供養塔も見られます。上は島津氏6代氏久(右)と島津元久(左)の逆修供養塔です。
道隆寺跡     2020年3月19日撮影
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