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田皆岬 : 昔見た風景をふと思い出すことがあります。これらは約30年前に5年間沖永良部島に滞在していたころに撮ったもので,最近になって写真やネガフィルムをスキャンし,パソコンに保存しました。湿気や埃で色褪せや傷がありますが,懐かしいものです。
島の西北端にある田皆岬 は,高さ51メートルの断崖絶壁が東シナ海に突き出ています。晴れた日に岬の突端に立つと,雄大な紺碧の空と海を独り占めできます。
ここの夕日は格別に素晴らしく,岬の先に沈む夕日を見るために何日も通い詰めて眺めたものです。今も変わりなく見られることでしょう。
文久2年(1862),隣の徳之島から沖永良部島に島流しされた西郷隆盛は,島の西側にある伊延港に着き,2日間船中泊したとあります。そこから東側の和泊まで歩き、1年と6ヶ月の間,牢屋に蟄居させられていたそうです。西郷さんは,こうした景色を見る機会はあったのでしょうか。
海と空の色が刻々と変化していく様は,時間を忘れて眺めていられます。
日が沈むとき,あたりは一瞬静寂に包まれます。
日が沈むと燈台に明かりが灯ります。
岬の夕景は季節によって様々な姿を見せてくれます。できるなら,ここの夕景をもう一度見てみたいものです。