新城麓から高隈林道へ (垂水市)

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以前,奄美大島に居た頃,目にしたことのある石敢當が垂水市新城にあるということで,ぶらりと見に出かけてみました。2年前の4月,桜も盛りを過ぎようとする頃でした。
新城麓自治公民館の道路沿いに石敢當(右側)と寺田観音像(左側)が並んで置かれています。どちらも長年の間雨風に晒されたためか明確な形容をとどめていません。
少し離れて,庚申塔も置かれています。こちらも細部は欠けたり,摩滅したりしており,辛うじて形が分かる程度です。これらの石像を眺めていると,今まさに石の中にその姿を納めようとしているようでもあり,逆に石の中から生まれ出て来ようとしているようでもあり,不思議な感覚になります。
自治公民館からガラッパ(滝の脇)公園を目指して車を走らせていくと,寺跡の表示が目に入り,訪ねてみました。それは地域の方たちの墓所の奥方にありました。建物は既に無く,岩壁に材木を支えるための溝や,祠を穿った跡が残っているだけです。
丹念に彫られた鑿の跡が今でもしっかり残っています。
先の石像たちと同様に,これは御堂建立の途中のようにも見えてきます。暫く彫り跡を目で追いながら空想の世界にはまってしまいました。
新城麓の奥まった所,馬形川の上流にガラッパ(滝の脇)公園があります。

ここが滝のある場所なのですが,落水の音は聞こえているのに水の流れも滝つぼも全く見えません。
ここにはカッパが住んでいて,人々に悪さをしていたそうです。
近くにあるお寺の住職が岩に大日如来を表す梵字を刻みカッパを封印したと言われています。この周辺は親水公園として整備されていて,カッパの石像も立てられています。
この日は天候もよかったので,新城麓から鹿屋市の花里町へ抜ける林道を通ってみました。
時節柄,道路沿いには様々な花が咲き誇っていました。
あいにくと野草に疎く,名前を知らない花々ですが,何度も車を止めては眺めることでした。
以上2016.4.9撮影
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